名古屋高等裁判所 昭和24年(控)42号 判決 1949年6月17日
被告人
安鐘吉
主文
原判決中被告人安鐘吉に関する部分を破棄する。
被告人安鐘吉を懲役三年に処する。
押收に係る拳銃型ライタ一個(証第三号)及びジヤツクナイフ一挺(証第四号)を沒收する。
理由
前略
控訴趣意第一点について。
原審が被告人は原審相被告人丸川勝と共謀の上昭和二十四年一月二十七日午前一時頃一宮市高畑町三丁目七十五番地阿彌陀寺こと山田貞敎方裏側硝子を破り何れもマフラーにて覆面して屋内に侵入し同人及び同居人寺田智円に対し丸川勝は拳銃型ライターを被告人はナイフを突付け靜かにせよ金を出せと申向け脅迫して畏怖させ右山田貞敎所有の現金三百五十円位及び寺田智円所有の布切れ等在中の風呂敷包二個を強奪したものと認定したこと竝にその挙示の証拠によれば右屋内侵入に際して裏側の硝子戸の硝子が破れて紙を貼つてあつたが被告人等はその紙を貼つてあつたところから侵入したものであることは何れも論旨の通りである勿論嚴密にいえば硝子を破つて侵入したことと紙を破つて侵入したことは同一ではないがその程度の事実誤認は本件全体から観察して被告人の刑責に影響を及ぼすに足らないと思われるのでこの点の主張は採用しない。
以下省略
〔註〕 結局、量刑不当にて破棄自判